1998-10-01

テレビジョンの信号限界

コンピュータの中で作り上げた美しいCGもテレビモニターで見ると色褪せて見えるときもある。繊細な描写も画面のチラツキで幻滅するかもしれない。これはテレビの映像信号への配慮が足りない場合がほとんどだ。あなたが作成したCGの最終目的が印刷ならばタイプセッターなどの出力機への信号を考慮することだろう。同じくビデオテープへ出力することが目的ならテレビ信号の基本を知っておくと失敗が減る。

一般的に知られているテレビの動画映像は1秒に30枚の映像をパラパラマンガのように再現する。それが人間の目の残像効果であたかも画像が動いているように感じるのだ。厳密には一枚の画像を再現するには30/1秒(フレーム)で525本の走査線を必要とするが、テレビでは走査線の奇数分と偶数分を60/1秒(フィールド)で分けて送っている。間引き走査(インターレース)と言われる方式だ。コンピュータの1ピクセル単位で描かれた細かな映像はここの走査線の谷間で瞬く(フリッカー)ことになる。色のあざやかさや明るさでもテレビとコンピュータの画面は信号の限界が違う。限界の高いコンピュータの信号を落としてテレビ信号へ変換する際にどのように補完(ハイライトコンプレッション)されるかボードのメーカーによって癖がある。必ずテレビモニターで自分の狙った表現が実現されているか、品質を確認することが肝心だ。

 

ビデオのレンダリング?

CGの画像を仕上げる最終行程に画像の質感を計算(レンダリング)する作業がつきものだが、ノンリニアビデオ編集のレンダリングとは何だろう。

動画のクリップとクリップを順番に繋いでいく場合は必要無いが、DVE(デジタルビデオエフェクト)などの2種類以上の画面要素を合成する場合、効果を再現する際に必要になる秒数×30枚の合成画面を計算(レンダリング)する必要がある。

高価な機種でデュアルコーデック(デュアルストリーム)が可能なら、ワイプなどの画面転換やキー合成はリアルタイムで行なえる。または追加したドーターボードを利用することで、3次元エフェクトがリアルタイムで計算できる場合もあるが、それ以外はエフェクトごとレンダリングに時間をとられることになる。エフェクトを沢山含んだ数分のビデオクリップを再生するまでに数時間のレンダリングが必要になる場合もある。

しかし贅沢になったものだ。従来はABロールと言われる2台以上の送出VTRとビデオスイッチャー、エフェクターなどの高価な器械を駆使しスタジオの器財を借りなければならない行程がパソコンの中で出来上がってしまうのだ。

スタジオでしか作業のできない行程ではあるが、リアルタイムに作業ができていた感覚からするとノンリニアビデオ編集のレンダリング待ち時間は苦痛だ。

実際に仕事でノンリニアビデオ編集を行うならレンダリングに時間をかける方がコストアップになるのでリアルタイム処理できるシステムを選択することが必要だろう。


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